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【開催予告】『メメント・モリ/カルペ・ディエム』100人展(仮)

【開催予告】『メメント・モリ/カルペ・ディエム』100人展(仮)

2027年2月頃、大阪・熊本の2会場を巡回するアート展を開催します。

「メメント・モリ(死を忘れるな/今を生きよ)」「カルペ・ディエム(その日を摘め/今この瞬間を大切に生きる)」。2つのラテン語の格言をタイトルに、「今を大切に、力強く生きること」をコンセプトに、全国から集まる作品による展覧会です。

命の尊さ、日常の愛おしさ、再生への祈り。プロ・アマチュアを問わず、誰もがフラットに参加できる展覧会を目指し、ただいま準備を進めています。

参加アーティストの募集など、詳細は近日中にこちらのサイトでお知らせします。どうぞお楽しみに。

2026年09月27日

二度目の夏 ― 令和8年熊本地震のあとで

七月二十八日の午後四時二十七分、熊本がふたたび大きく揺れた。マグニチュードは7.1、宇城市と氷川町で震度7を観測した。震源の深さはおよそ十五キロ。布田川断層帯と日奈久断層帯という、この土地に長く横たわってきた断層のそばで、地面がまた横にずれた。

十年前の四月を思い出した人は多かったと思う。あのときは益城町だった。今度は南だった。産業技術総合研究所の解説によれば、二〇一六年の地震によってひずみのたまった領域に、今回の震源は位置しているという。因果関係がある可能性が示唆されている、という慎重な言い回しの奥に、この土地の地面はまだ動いている途中なのだ、という事実が横たわっている。

数字は日ごとに動いた。八月三日の時点で避難していた人は九千二百二十六人、九日には六千百八十三人、十五日には三千二百五人。減っていく数字は、住まいに戻れた人がいるという意味であり、同時に、どこへ戻ればいいのかまだ決めかねている人が残っているという意味でもある。その八月三日は、最高気温が四十度に届く日だった。体育館の床の上で、あるいは車の座席で、その暑さをやり過ごした人がいる。

亡くなった方は、災害関連死の疑いを含めて三十九人と伝えられている。この「関連死」という言葉の前で、私はいつも立ち止まってしまう。揺れそのものではなく、そのあとの避難の疲れや持病の悪化によって亡くなるということ。つまり地震は、あの十数秒では終わっていない。

熊本県が出している被害情報は、九月十日の時点で第五十六報になった。テレビの画面から熊本の映像が消えたあとも、報告は淡々と番号を重ねていく。五十六という数字を見たとき、そこに、毎日誰かが数え、確かめ、書き留め続けている手があることを思った。復旧というのは劇的な出来事ではなく、こうした反復の集積なのだろう。

地震から二週間で、仮設住宅の建設が始まった。JRの鹿児島本線は宇土と八代のあいだで、肥薩おれんじ鉄道は八代と肥後田浦のあいだで、しばらく列車が走らなかった。線路が途切れるというのは、時刻表という約束がひとまず失われることでもある。それでも代行のバスは走り、人は移動し続けた。

絵を描くことや、手を合わせることに、地面を止める力はない。それは分かっている。ただ、十年のあいだに二度、同じ土地が大きく揺れたという事実を、忘れずにいることはできる。忘れないというのは悲しみ続けることではなく、この土地に暮らすとはどういうことなのかを、もう一度静かに引き受け直すことだと思う。

やがて秋が来て、第五十七報が出るだろう。その一つひとつを、数え続けていたい。

2026年09月13日
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